Pythonではじめるプログラミング入門

「プログラミングを学んでみたいけれど、何から始めればいいかわからない!」そんな風に思っていませんか?私はPythonという言語からプログラミングを学び始めることをお薦めします。ここでは、Pythonから学び始めることのメリットと、Anacondaを通じたPythonの簡単なインストール方法について説明します。

Pythonではじめるプログラミング入門:目次

Pythonは1990年代に作られたプログラミング言語です。もともと教育向けを意識して作られており、簡単に始められるようになっています。その一方で機能は本格的で、標準で付属するプログラムだけでデータベースやWebサーバーを作ることもできてしまいます。「プログラムの規模を問わず使うことのできる言語」と評する人もいます。

なぜPython?

そんなPythonからプログラミングを学び始めるメリットは、次の3点です。

コンソールがついてくる

Pythonでは「コンソール」と呼ばれるプログラムが付属してきて、1行ごとに計算を入力していくことができます。なんとなれば「プログラムを作る」という目的だけでなく、ただの高機能な計算機としてPythonを使うこともできるのです。またコンソールを使うことで、「プログラムの動作がよくわからない」というときに「ちょっとだけコードを書いて試してみる」という使い方もできます。

読みやすいコード

Pythonは教育向けを意識していただけあって、「読みやすいコードを書く」ということが強制されるような様々な仕掛けがなされています。この仕掛けは、自分で書いた内容を忘れてしまうくらい後になったときに活きてきます。C言語やJavaの場合はコードの書式の面で自由度が高く、後から自分で読んでも理解するのに時間がかかります。一方Pythonの場合、順番に読んでいけば処理の内容がなんとなくわかることが多いです。「後から読んで分かる」良いコーディングスタイルを学ぶのにも、Pythonが適していると思います。

多様なスタイルでプログラミングできる

基本的にはPythonは、「オブジェクト指向(*)」と呼ばれるスタイルの言語です(議論の余地はありますが)。ですがPythonでは、オブジェクト指向だけでなく色々な別のプログラミングスタイルを採ることもできます。たとえば日常のちょっとした処理のまとまりを自動で行なうための「スクリプト(*)」の作成や、オブジェクトではなく関数中心でプログラムを構成する「関数プログラミング(*)」という手法をとることもできます。Pythonを学んでおくことで、いざ「こういうスタイルも学んでみたい」と思ったときに、必ずしも新たな言語を学ぶ必要なく試してみることができる、というのは利点だと思います。

(*) オブジェクト指向やスクリプト、関数プログラミングといった概念については、はじめは特に気にする必要はありません。準備ができしだい段階的に紹介していく予定です。

Python環境(Anaconda)のセットアップ

能書きはこれくらいにして、早速Pythonでプログラミングする環境をセットアップしましょう。実はUnix系(Linux, Mac OS Xも含む)のOSには、ほとんどの場合最初からPythonが付属しています。ただバージョンが古かったり独自の仕様が含まれていたりして使いにくいことがあるので、新しい環境を一気に導入してしまうことをお薦めします(新しいPythonを入れたとしても、元々のPythonはそのまま残りますのでご安心を)。

Pythonのバージョンについて

とくにPythonの場合、「Python 2.x」というバージョンと「Python 3.x」というバージョンがあり、この二つで微妙に文法が違ってくるので注意が必要です。Python 3.xのほうが文法がシンプルで、日本語もそのまま使えますので、ここではPython 3.xを使うことにします

Anacondaのインストールについて

環境の導入でいちばん簡単なのはAnacondaをインストールすることです。Anacondaのインストールによって、最新のPythonも同時にインストールされます。Anacondaを使うことで、環境やPythonバージョンの管理などがとても簡単にできます。

手順を簡単に書くと、以下のとおりです:

shot

  1. Download Anaconda Now! から、お使いのOS用のインストーラをダウンロードします。ページの下の方に行くと「Download for Windows」「Download for Mac」「Download for Linux」というタブのうち、お使いのOSが選択されていることを確認して「Python 3.x version」という方から「Graphical installer」という方をクリックしてダウンロードします。
  2. ダウンロードには時間がかかるので、気長に待ちます。
  3. ダウンロードされたファイルをダブルクリックして開きます。Macの場合、.pkgで終わるファイルをダブルクリックで解凍し、その中にあるファイルを右クリックして「開く…」を選択する必要があるかもしれません。
  4. 出てきたインストーラの指示に従ってインストールします。
    ※OSのバージョンによっては「インストール」ボタンをクリックする前に、「Anaconda PythonをデフォルトのPythonにする」というチェックボックスがある場合があります。その場合、そのチェックボックスにはチェックを入れてください。
  5. 端末エミュレータ(*)から”python”とコマンド入力してエンターキーを押してください。以下のような画面が出てくると思います。出てきた一番上の行に「Anaconda」という文字が見えれば、正常にインストールできています。anaconda.png
  6. “>>>”のあとに全て半角英字で“quit()”と入力し、エンターキーを押すと終了します。コマンドプロンプトも終了して構いません。

quit

(*) 端末エミュレータは、OSによって場所や操作が違います。慣れない方は、端末エミュレータ これだけできればという項目も参考にしてみてください。

次のステップ

プログラミングを学ぶ環境が整いました!次はいよいよ、Pythonのコンソールを使ってみます。色々なものを入力してみて、何が起こるか見てみることにしましょう。

続き:Pythonコンソールを使う(1): 簡単な計算でみる「プログラミング」の意味

目次:Pythonではじめるプログラミング入門

参考ページ

Anacondaのインストールは他のページでも詳しく解説されているので、そちらのページも参照してみてください:

投稿者: gwappa

A free-floating DIY programmer who loves to automate chores in a royalty-free manner. Mainly uses Python, Java and C++.

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